近年は、プロのアーティストとしてやっていくなら、ギャラリーに所属するだけではプロモーション力が弱いので、
SNSを駆使して、セルフ・プロモーションができるようになりましょうと言われます。
SNSの中でも、アーティストが自分の作品をPRするのに最も適しているのがInstagramと言われています。
最近は動画の時代なので、TikTokも含まれるでしょうか。
寺田倉庫や森美術館がいち早くTikTokに参入しているようですね。
作家はよい作品を黙々と創り、プロデュースやプロモーションはギャラリーに任せるという時代が、
もう終わったのかもしれません。
ただ僕は、作品を売って生計を立てているアーティストのみがプロのアーティストだとは思っていません。
そうすると、日本では100年以上前から、活発に作品が売買されてきた国ではありませんので、
欧米に比べて「プロのアーティスト」があまり存在しないということになります。
でも、地方の寂れたギャラリーでも、素晴らしい作品はたくさん見かけます。
彼ら・彼女らは売買が成立していないからと言ってプロではないのでしょうか。。?
作家が、ガツガツした性格ではない場合、自分の作品をPRするのが苦手な人もいるでしょう。
私もそのタイプです。
じゃあ、セルフ・プロモーションができない作家はプロにはなれないのかと言えば、
そういうことではないでしょう。
現に、アール・ブリュットの作家さんたちは、セルフ・プロデュースなんかしていませんし、
詩の世界では、死ぬまで作品を発表しなかったエミリー・ディキンソンという詩人もいます。
私は、ずっと昔から一貫して言っていることですが、プロの作家かどうかは、本人の意識の持ちようだと思っています。
作品が売れる、売れないという経済行為は、資本主義社会が終われば終わります。
あるいは人類が貨幣経済を卒業した時点で終わります。
私は、資本主義経済社会が終わった後でも、地球に残る遺産として、日々の作品を創りたいと心がけています。